「会社法」法令集〈第九版〉

もう一つの法令集、商事法務から出ている“織込版会社法関係法令全条文”と双璧を成す法令集。法律の条文を1条から最後まで並べ、各条文が参照すべき会社法施行規則、会社計算規則、電子公告規則や、条文本文中で別の法律条文を参照している箇所がある時は、その条文のタイトルを青字で本文中に自由に注記してあり、さらに各条文の最後に旧商法の同等条文や、条文の意味などがやはり青字で解説されている。私個人は、普段はこれが一番使いやすいと感じている。一方の商事法務の法令集は、法律条文の後ろに関連のある規則を青い地のなかで一括して並べてある。（また、巻頭に法律・規則類の上下関係が一連表になっており条文の全貌が見渡せるようになっている。）このため、法律条文が指し示す事柄が全部一括してわかるようになっており、これはこれで非常に価値がある。ゆっくりと各条文を研究していく時は商事法務の方に軍配が上がるだろう。昔、日本監査役協会の理事の講演を聴いた時、商事法務版を強く勧めていたのを良く覚えている。・ちょっと法律とつきあっていると、主な条文と関連する規則は覚えてしまう。・論文や書物などを読んでいる時に規則類を直接参照することが必要になるが、この場合中央経済版は規則類を条文別に並べた別章があるので調べやすいというメリットがあるのに対し、商事法務版は巻末の規則一覧表から該当する記述のあるページを調べる必要があり規則の条文を調べるのが二段階になって効率が劣る。よって、この二冊はどのような使い方をするのか想定して、使い分けるというのが正しいのだと思う。結局二冊とも持つことになる。自宅と職場、毎年計4冊購入する事になる。