コンカツ? (文春文庫)

石田衣良の作品といえば、執筆時期の時事ネタをガンガン放り込んでくるのが特徴で、本作はタイトルのとおり「婚活」がテーマです。それに加えて、草食系男子、熟年離婚、熟年カップル、シェアハウス。あとさらっとだけど、非正規雇用の雇い止めとかセックスの相性も。正直言って時事ネタ詰め込もうとし過ぎです。非正規雇用の同級生の話とか、何のためにあったのでしょう？この本に出てきたような、合コン行きまくりアラサー女性4人組、個別にみても婚活頑張る人、不倫からの妊娠してシングルマザーを選ぶ人、変わった男の趣味といった人がいないせいか現実味がないというか。この年代の女性が小馬鹿にされてるという感じも否めませんでした。知り合いに登場人物のような人がいないから笑って過ごせますが、本当にこんな人が読んだら嫌な気持ちにならないのかなーと余計な感想も。この主人公たちのように自立して、見た目もちゃんとしてる女性はアラサーまで結婚してないというのはたぶん稀でしょう。ここ数年、私の中では石田衣良はかなり低迷しているのですが、今度こそ面白いのでは…と思って、ついつい買ってしまう。人はこれを「惰性」と言うのですが、やはり今回もハズレでした。