レーニンとロシヤ革命 (1955年) (岩波新書)本ダウンロードepub
レーニンとロシヤ革命 (1955年) (岩波新書)
strong>本, クリストファー・ヒル
によって クリストファー・ヒル
3.7 5つ星のうち1 人の読者
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イギリス革命史研究の泰斗クリストファー・ヒルによる、レーニンを通したロシア革命論である。研究書ではなく、一般市民を想定した啓蒙書とのことだ。訳者紹介によると、「レーニンの伝記でもなければ、思想の解説でもなく、また革命の年代記でもなくて、レーニンの思想をいくつかの項目に整理して、その中に事件の記述をおりこんでゆく」「特殊な手法」とされる(ⅲ)。しかしこの訳者の言葉のすぐ後に、原著シリーズ監修者が「偉大な人物の伝記を通して重要な歴史的テーマを解明する」(ⅵ)と記している。いったい本書は伝記なのかそうでないのか不思議に思う。読んでみると確かに、スタイルとしては伝記だが、人物というよりはロシア革命という出来事を中心にしているから両者とも間違いではなさそうだが。評者はロシア革命にもレーニンにもさほどの関心は無いが、ヒルの手際の良い叙述から感じるのは、やはりレーニンは傑出した人物だったということである。少し聖人伝っぽいのは否めないが、革命家としてのレーニンの凄まじい活動ぶりは印象的だ。しかし、実は評者にとって気になるのはむしろクリストファー・ヒルである。本書が出た1947年(そして邦訳の出た1955年)は、社会主義がもっとも輝いていた時期であろう。その後1956年にはハンガリー動乱とフルシチョフによるスターリン批判によりヨーロッパの社会主義陣営には激震が走るが、本書ではすなおに社会主義を称賛していたヒルはそうした事態にどう反応したのだろうか。あるいは、例えばI.バーリンやE.H.カーとの比較など、当時の文脈に本書を置いて読むのも面白そうである。
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