ミルトン・エリクソン心理療法: 〈レジリエンス〉を育てる

本書は、ミルトン・エリクソンというセラピストがどうやって、奇跡的なまでの診療治療を行ったかの基本的な考え方を紹介しています。そのベースは下記のようにいくつかに分類されています。注意のそらし：患者がはまっている枠から意識を外すリオリエンテーション：新たな方向性を示す。解釈を変える利用：その人の意思を尊重し、治療へと導く機会を提供する分割：一度に全てを治さずに、できる部分から実績を作る前進：完全でなくとも、少しでも前に進める暗示：あらゆる問題は変化は可能であるという考えから始まるエリクソン氏はこれらを巧みに組み合わせながら、患者ごとに創意工夫された処方を提供して、治癒へと導いたのです。エリクソン氏は卓越した心療テクニックを持っていたのは間違いないが、それだけでなく、いかなる人の人生をも慈しむ姿勢があったからこそこれだけの成果を実現できたのである。本書は単なるテクニックにとどまらない、エリクソン解説の良書である。