手仕事の日本 (岩波文庫)

笠間焼、益子焼、バーナード'リーチが気になっていた時に見つけた本。読後にますます日本民藝館に行きたくなったのですが、まだ行けていません。今まで住んだことがある地域、旅行に行った場所で、「こんなの作っていたんだ！知らなかった！」というものがたくさんあり、びっくりしました。もちろん、伝統工芸として今も大切に保存されているものもたくさんあり、それを訪ねて旅行するのはとても楽しそう。柳宗悦さんの文体は「若い人に手仕事の良さを知ってもらうため」ということで、とてもわかりやすい。きっと「手仕事」以外にも伝えたいことはたくさんあったと思いますが。P270 後記より「吾々が（日本）固有のものを尊ぶということは、他の国のものを謗るとか侮るとかいう意味が伴ってはなりません。」「国々はお互いに固有のものを尊び合わねばなりません。それに興味深いことには、真に国民的な郷土的な性質を持つものは、お互いに形こそ違え、その内側には一つに触れ合うもののあるのを感じます、この意味で真に民族的なものは、お互いに近い兄弟だともいえるでありましょう。世界は一つに結ばれているものだということを、かえって固有のものから学びます」昭和十八年にこれを書かれた勇気と清新さ高潔さを、心から尊敬します。